「申請主義の壁」と消えた10万円
「10万円がもらえなかった」 落胆の声が続々と…
この3月末、高校生世代の子を持つ保護者の方から、「0~18歳までの子どもがもらえるはずの10万円をもらえなかった」「申請書類が市から届くと思って待っていたが、年度末になっても届かず問い合わせたところ、申請期限が終了していた。なんとかならないのでしょうか」という相談が寄せられました。
0歳~中学生世代までの児童手当(所得制限あり)の受給者には、10万円が直接口座に振り込まれる一方で、高校生世代の保護者などは自ら申請が必要という、市民から見て複雑な制度でした。
しかしワクチン接種券など、この間、市から郵送で届く書類も多かったことから、申請書を自分で取りに行かねばならないことを知らない方もいたのです。
「申請期限を4月末まで延長している自治体がある」と市民からの情報提供を受け、市に救済を要望したものの、問い合わせのあった市民をすでにお断りしており、時間的にも間に合わないとの理由で、申請期限の延長は行わないとの回答でした。
要申請者に対する周知は十分だったのか?
市報には、3度にわたり掲載されたものの、「市HPでご確認ください」「お早めにご申請ください」などとあるだけで、申請方法に関する記述は一切なし。申請書の配布先も、提出先も書かれていませんでした。一方、小金井市は市報に「申請書は市HPからダウンロード可」と記載されており、HPには赤い文字で「次の方は、待っていても申請書が届くことはありません」と、要申請者への注意喚起が書かれていました。
さらに調べると、福生市や八王子市などは、全高校生世代に申請書とお知らせを郵送していました。稲城市では、所得制限の範囲内にある対象者を割り出し、案内文書を送付、さらに4月末まで申請期限を延長し、市民に寄り添う対応を行っていました。全国一律の制度だったにもかかわらず、ここまでやった自治体があったのです。
西東京市の対応は、市民に対し不親切です。申請主義をとる以上、行政は市民が確実に権利を行使できるよう、最善の手を尽くすべきです。池澤市長から「分かりやすい周知は市の責任」と、今後の対応を検討する旨の答弁がありました。申請にたどり着けない市民が一人でも出ないよう、今後も市政を厳しくチェックしていきます。