学校でも家でもない”サードプレイス”を地域につくろう――「ぽくるーむ」の取り組み

不登校の子どもの居場所を地域につくりたい
友人とともに、不登校を考える親の会「IPPO」を運営してきて早7年。
親同士が悩みを打ち明けたり、情報を交換したり励まし合ったりできる場は、地域に少しずつ増えてきました。
そうした中で、ずっと気になっていたのが、
「親の居場所はできたけれど、当の子どもの居場所は?」ということでした。
学校に行かれなくても、子どもたちが安心して過ごせるサードプレイスを地域にいつか作りたい――
そんな時、地元で居場所を立ち上げようとしているメンバーから、IPPOに声がかかりました。
公民館で何度も集まってはお互いの問題意識を共有し、話し合いを重ねる日々。
昨年8月末には「ぽくるーむ」という団体名で、
プレ企画を開催。
そこから月に2~3回、主に夕方4時から6時半の時間帯で、居場所活動がスタートしました。

スタッフにも人気のカードゲーム「カラスのメモリー」

とても貴重な”若い世代のスタッフ”の存在
とはいえ居場所は、最初から必ずしも順調とは言えませんでした。

いくらチラシを撒きSNSで発信しても、「参加者が一人も来ない日」が5ヵ月近く続いたからです。
そんな中、励みになったのは若い世代のスタッフたちが、積極的に会の運営に参加してくれたこと。
とくに不登校の経験がある若者からの「当時どんな言葉が嬉しかったか」「どんな言葉がプレッシャーになったか」など、当事者目線に立った意見は、私たち大人スタッフにとって貴重な助言になりました。

5ヵ月目にとうとう、初の参加者が!
そして複数のローカルメディアが、会の活動を取り上げてくれた2022年1月末――。

当事者の親子が、ぽくるーむに初めて訪れたのです!
ボードゲームに工作コーナー、漫画コーナーなど、それぞれに自分のやりたいこと、居心地の良い場を選んで過ごす時間。
無理してしゃべらなくてもOKだけど、ゲームで盛り上がるうちにだんだんと表情がほぐれ、「もう1回やってみる?」の問いかけにうなづく子どもの姿に、心から「この場を開いてよかった!」という気持ちでいっぱいです。
2月12日(土)には活動の周知と資金集めのために、バザーを開催。
そして20日(日)には研修を兼ねた学習会と、イベントも続きます。
はじまったばかりの活動ですが、地域のいろんな方の協力も得ながら、ゆっくりと時間をかけて育てていきたいと思っています。

ぽくるーむ入口の看板。大学生スタッフの手書きです