バラマキ型の補正予算(第12号)に反対!―― いま必要なのは若者支援!
予想はしていましたが、修正動議は議会であっさり否決されました。
75,000冊のプレミアム応援券を25,000冊に削減し、浮いた経費で応援券を若者へ配布しよう、という提案でした。
どうせやるなら百歩譲って、プレミアム応援券事業に若者支援の視点を盛り込んでほしいという提案だったのですが、私たち「反市長」側の提案には乗れない、手柄にはさせない、ということなのだろうと受け止めています。
その後、自民党・公明党からは「コロナ禍における市民の生活状況を鑑み、若者に対する行政サービスにおける支援を検討することを求める」とする附帯決議が提案され、こちらはあっさり可決。
事実上の上書きであっても、数の力で圧倒的に敵いません。
修正動議の手続き自体に不慣れで、進め方に課題があったことは反省しています。
これからはもっと勉強して、ただ反対するだけではなく建設的な対案を、議会を通じて提起していきたいと思っています。
市民の皆さんからのご助言、ご意見をお待ちしています。
以下は、生活者ネットワークの補正予算への反対討論です。
長文なので、お時間のある時にでもお読みいただければ幸いです。
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【議案第3号 令和2年度西東京市一般会計補正予算(第12号)への反対討論】
生活者ネットワークを代表し、反対の立場で討論を行います。
通常、年度末における最終補正は、国・都の交付金等の確定に伴う財源調整を主とするものです。
しかし本年においては、池沢新市長のもと、新型コロナウイルス感染症対策として実施された数々の事業間の財源調整をはじめ、新型コロナウイルスワクチン接種事業費15億3,027万3千円、そして国の3次補正によるコロナ対策地方創生臨時交付金5億7,696万9千円の使途を定める、非常に重要な最終補正予算となりました。
時間に限りのある中ではありましたが、特にコロナ対策事業を中心に、事業選定の根拠と妥当性、それによる効果という視点から、慎重に審査させていただきました。
まず、市が速やかなワクチン接種体制づくりを進めていることは確認いたしました。
しかし、国の地方創生臨時交付金の7割にあたる4億862万円もの予算を、事業者支援策のみに充当するというのは、いくら市長の選挙公約とはいえ、あまりにもバランスを欠くと言わざるを得ません。
本交付金は、コロナ対策が目的であれば、原則、使途に制限はありません。
二度目の緊急事態宣言が続く中、困窮世帯や子どもへの食支援、福祉系サービス事業所等へのPCR検査拡充によるクラスター防止と事業継続支援、そして西東京市ではこの間まったく光の当たらなかった若者・学生支援など、考えうる対策、支援策が他にも多々ある中で、①キャッシュレス決済ポイント還元事業と、②プレミアム商品券第二弾、そして③エッセンシャルワーカーへのプレミアム商品券支給の市内消費喚起関連3事業に特化した予算組みは、事業者支援の名を借りたバラマキ、選挙対策としか思えず、到底賛同できるものではありません。
補正予算に賛同できない理由①
キャッシュレスポイント還元事業について
昨年3月の緊急事態宣言以降、非接触のキャッシュレス決済利用者はすでに一定程度増えており、なぜこのタイミングで西東京市が公金を投じてポイント還元事業を実施する必要があるのか、理解に苦しみます。
事業者の売上向上につながるといいつつ、導入店舗は市内の約2割にしか満たないとの答弁にも矛盾を感じます。
補正予算に賛同できない理由②
プレミアム商品券事業について
プレミアム商品券事業については、昨年11月から実施された第一弾事業の効果検証も不十分な中、コロナで売上げを伸ばす大型チェーン店を参加店舗に加えるなど、事業の目的である「売上げが減少した市内事業者への支援」につながるのか?との疑いを持たざるを得ません。
その上第一弾実施の際には、「店舗の規模により対応可能な人数に上限がある」との理由から「発行冊数は5,000冊が適当」と算出したにも関わらず、その15倍もの75,000冊を大量発行すれば、まだワクチンの効果が見通せない時期に市が感染拡大リスクを助長することにもなりかねません。
補正予算に賛同できない理由③
エッセンシャルワーカー応援事業について
また、エッセンシャルワーカー応援事業に至っては、事業対象者を精査されないまま、議案が上程されたことが明らかとなりましたが、それでは、私たちは何をもって本事業の妥当性を判断すればよいのでしょうか。
とりわけ、先の9号補正予算にてPCR検査等経費補助事業の対象から外れた訪問介護事業所を支援の対象範囲に含めるか否かすら、現時点で未定とされたことには、さすがに承服しかねます。
「エッセンシャルワーカーに感謝と応援の気持ちを伝える」と言いつつも、「どなたに感謝を伝えるかは、これから考える」というのでは、単なる数合わせの事業と思われてしまっても致し方ないのではないでしょうか。
百歩譲ってこれらの事業を実施するのであれば、この間、支援の対象とならなかった若者に対し、プレミアム商品券の現物給付によって市からの応援メッセージを届けるべきと考え、若者応援事業を提案する予算の修正動議を行いましたが、ご賛同が得られなかったことは大変残念です。
市内の児童養護施設退所者の中には、学校を退学してしまった若者、携帯電話料金が払えず社会とのつながりを絶たれてしまった若者など、コロナの影響がダイレクトに出ていると聞き及んでおります。若者支援は、まさに待ったなしです。
「子どもがど真ん中のまち」も、18歳を過ぎたとたんに「自己責任のまち」となるのでは、あまりに冷たすぎます。コロナ禍が続く中、自立の道を踏み出したばかりの若者を社会全体で励まし応援できるよう、若者支援策をただちに実施すべきと申し述べ、本補正予算への反対討論といたします。