心の痛む相談を、政策提案につなげる――12月の一般質問から①

元気な高齢者のつどいの場として、広く利用されている福祉会館ですが、
最近、このような声をいただき、深く考えさせられました。

市民から寄せられた、心の痛む話
事故によって、高次脳機能障害を負ってしまった旦那様。
以前から、将棋を打つのを楽しみに福祉会館に通っておられたのですが、
認知機能がやや落ちたことで、サポートが必要になりました。
奥様が同伴され、しばらくは通い続けていたのですが、
他の利用者の方との関係が難しくなり、
次第に居づらさを感じるようになりました。
デイサービスを進められたものの、介護を受けることには抵抗があり、
家に閉じこもりがちとなった旦那様は
認知機能が急速に落ちてしまったそうです。
「福祉会館に夫を受け入れてくれる雰囲気があれば、
もう少し長く通えたのではないか」という奥様のお話に、胸が痛みました。

現在の福祉会館のスタッフの業務は、おもに施設の運営管理が中心です。
認知機能の低下した利用者に対し、積極的に声掛けをし、
見守りやサポートをする体制がとれれば、
このような形でフェイドアウトせざるを得ない利用者を少しでも減らすことができるのではないか――そう考えました。

<12月の一般質問①――だれもが利用しやすい福祉会館へ>
かとう:認知機能が低下した利用者に対し、福祉会館では現在、どのような福祉的対応を行っているのか。認知症対応を学んだ職員による声かけや、介護予防プログラムへの参加呼びかけなどを行うべきではないか。

健康福祉部長:気になる利用者がいれば、職員が必要に応じて声掛けを行い、地域包括支援センターにつなぐこともある。
しかし、ご指摘いただいた点については課題もあると考える。

かとう:認知機能が落ちてきた利用者を、見守り、手助けできるよう、市民ボランティアを配置することはできないか。
市の認知症サポーター養成講座等を受講された方にとっては、活躍の機会が増えることにもなる。ボランティアポイント制度も活用できるのではないか。

市長:福祉会館のあり方を検討する中で、ボランティアの協力によるサポート体制についても検討したい。

市長、部長からは、かなり前向きなご答弁をいただけました。
高齢者支援課長とは、相談機能の強化や多世代交流の機会づくり、
福祉的対応を学ぶ研修の導入についても、意見交換をさせていただきました。

社会とのつながりの低下は、要介護リスクを高めます。
福祉会館の ”福祉的対応” を強化し、
高齢者の方々が、楽しみながら少しでも長く福祉会館に通い続けられるよう、
今後とも、現場の声を行政へ伝えていきたいと思います。