ここからが正念場!空き家の利活用――条例案のパブリックコメントがスタートしました

■一周も二周も遅れた、市の空き家政策
老朽化した空き家の対策から一歩踏み込み、
西東京市として空き家をどう利活用し、まちづくりに生かしていくのか――。
「コミュニティの居場所づくり」「児童養護施設を退所した若者の住まい支援」など、
地域からの要望のもと、この4年間、繰り返し提案を重ねてきました。

ところが、11月15日に示された市の条例案は、
国の「空き家対策特措法」(すでに3年前に制定)の域を出るものではありませんでした。
利活用に関する記述は、
「第19条 市長は法第13条の規定により、空き家等及び空き家等の跡地(略)に関する情報の提供その他これらの活用のために必要な対策を講ずるよう努めるものとする」
の、わずか一文のみ。
空き家活用に対する市のビジョンは、何も見えてきません。
これしきの条例をつくるのに、なぜここまで時間がかかったのか。
正直、私にはまったく理解できません。

■国都の補助もあるのに、市として提供できる制度がない!
昨年10月、すでに国の住宅セーフティネット法が施行され、
住まいの確保が困難な高齢者・低所得者などに、空き家を住宅として提供したり、
コミュニティの活動拠点として利活用する取り組みが、さまざまな自治体で展開されています。
日野市や町田市などでは、いちはやくリフォーム等への補助金制度も創設されました。

アキヤラボ主催の「西東京市の空き家からまちづくりを考えるシンポジウム」@コール田無B2多目的ホール

11月16日には、市内の工務店や市民、事業者を中心に、「西東京市の空き家からまちづくりを考えるシンポジウム」が開催され、100名近くの来場者がありました。
地域からクリエイティブな発想がどんどん示され、国都の補助が強化されているにもかかわらず、市として提供できる制度がなにもないことに、忸怩たる思いでいっぱいです。

■来年度が正念場!
市は来年度、空き家等対策計画を策定し、居住支援協議会準備会も立ち上げるとのこと。
ここからが、空き家を活用したまちづくりの方向性を決める、大きな正念場! となりそうです。
地域にとって使い勝手の良い制度をつくるには、民間の柔軟なアイディアが不可欠。
計画策定の議論の足掛かりとなるよう、 まずは空き家条例に関するパブリックコメントに、ぜひご意見をお寄せいただければと思います。

空き家を、単なる「空き家問題」と捉えるのはもったいない。
空き家を媒介に、人と人、人と地域をどう結びつけ、新しいコミュニティをどう創造していけるか。
私たち市民の知恵もまた、試されています。

■ただいまパブリックコメント受付中!(11月15日~12月14日まで)
(仮称)西東京市空き家等の対策の推進に関する条例の制定
http://www.city.nishitokyo.lg.jp/siseizyoho/pub/bosyu/akiya_taisaku_jyoureseitei.html