利用抑制の続く介護サービス――介護保険料が初の値下げへ
――介護保険料値下げの一因はコロナ
この4月から西東京市では、65歳以上の方の介護保険料が値下げされます(~2023年度)。
月あたり6,373円の基準額は、315円減の6,058円となります(一覧表を画面下に掲載)。
2000年の開始以来、上昇の一途を辿ってきた介護保険料が、前期より下がるのは西東京市では初めてのこと。
その理由として市からは、①コロナ禍による介護サービスの利用抑制、②介護認定の適正化とケアプラン点検の効果が示されました。
――在宅高齢者のフレイルはいま
3年前の介護保険料改定のときは、基準月額が多摩26市のなかで最高額となり、議会でも厳しい指摘が相次ぎました。
今回の引き下げには安堵したものの、予断を許さぬ状況は続いています。
コロナ禍で外出や交流機会が極端に減少した、在宅高齢者のフレイルの影響が依然として把握できていないからです。
認知機能の低下やADLの低下が予想以上に進んでいた場合、重度高齢者の介護サービス需要が、今後一気に急増する可能性もあります。
――停滞の続く地域活動――もう手をこまねいている時ではない!
一方で、ここからの3年間(第8期計画期間:2021年度~2023年度)は、2025年の地域包括ケアシステム構築に向けた総仕上げの3年間となります。
介護が必要となる前の段階で、市民の健康意識をいかに具体的な行動につなげていけるか。
支え合いの地域づくりや参加したくなる魅力的な活動を、いかに地域に増やしていけるか。
そんな生活者ネットが大事にしてきた活動は、この一年、コロナの猛威に阻まれてきました。
行政も私たちも「様子見」の一年――でももう今は、手をこまねいているわけにいきません。
フレイルのリスクが日に日に高まる中、行政も、まずは地域活動の現場が何に困っているかを実態把握すべきです。
共助を支える公助の役割がいま、問われているのです。