支援を拒む「ヤングケアラー」をどう支えるか
ヤングケアラーについて議会で初めて質問をしたのは、2019年のこと。
ヤングケアラーという概念がまだ知られていない中、当時の教育部長が「不登校だったり、学習・対人関係に課題がある子どもの中には、家族のケアや感情面のサポートを日常的にしているケースがある」「一見明るく過ごしていても、心の健康を脅かしている場合がある」と答弁したのを聞き、
(現場には、ヤングケアラーに理解のある職員もいるんだ)
と、頼もしく思ったことを覚えています。
それから6年、ヤングケアラーを取り巻く社会状況は大きく変化しました。
2024年6月にはヤングケアラーの支援を強化する法律が施行され、家族のケアを担う子どもたちを社会で支えることの必要性が法的にも明文化されました。
しかし実際の現場では、本人や家族が支援を拒むケースが多いのが現状です。
客観的に見ると明らかに大変そうなのに、子どもが支援を拒否するのは、「介護は家族が担うもの」との意識があったり、第三者が介入することで「親が責められるかもしれない」「自分と親との関係が壊れてしまうかもしれない」と恐れる気持ちがあるからではないでしょうか。
そんな複雑な心情を理解しつつも、ケアの重責を子どもに背負わせたままではいけないと思うのです。
西東京市が現在把握しているヤングケアラーは40名。
そして今年度、市は小中学生に対して初めての実態調査(一斉アンケート)を実施します。これまで見えなかったヤングケアラーが見えてくるのですから、支援体制の強化は必須です。
学校や行政だけでなく、地域の育成会や子ども食堂、放課後カフェなど、子どもを見守る大人たちが互いに連携しながら、その子を具体的に支える方法を考えられたら、と思います。
子どもにとって信頼できる大人がまずは1人、自分の境遇を知ってくれているだけでも、大きな安心になるのではないでしょうか。
ヤングケアラーを取り残さない地域社会を、私たちみんなの手で作りたいと思っています。