モヤモヤしています… 映画「小学校~それは小さな社会」を観て
「6歳児は世界のどこでも同じようだけれど、12歳になる頃には、日本の子どもは”日本人”になっている」
いま話題のドキュメント映画「小学校〜それは小さな社会」
このキャッチコピーをみたとき、ものすごく心がザワザワしました。
不登校の問題に関わる私にとって、「教育のあり方」と「社会の生きづらさ」は密接にリンクするものだからです。
映画自体、「日本の公教育が世界から絶賛された」
「あのフィンランドも日本の公教育に注目してる」
のような前評判が高くて、しかもアカデミー賞にノミネートされたこともあり、日本の公教育を手放しで肯定する内容だったら困ったな…
と思っていましたが、映画自体にはナレーションも押し付けがましさもなく、ただ淡々と学校現場に分け入り、カメラを回し続けるドキュメントであったことは評価できると感じました。
その中で一度だけ、先生たちが研修を受けるシーンで出てきた「(日本人の)集団性の強さと協調性の高さは、諸刃の剣」という言葉は、いつまでも心に残りました。
求められる1年生像、6年生像にひたむきに応えようとする子どもたち。
その姿の愛おしさ、けなげさに心を動かされつつも、繊細な子どもにとって教室は不安に満ちた空間になってはいないか?
集団にはまりきらない子どもにとって、学校はストレスの強い空間になってはいないか?
と考えさせられることしきりでした。
上映後はスクリーンに拍手を送る人、難しい顔で考え込む人と反応もバラバラだったこの映画。
学校教育や不登校に関心のある人には、ぜひ観てみてほしい。
ひとことで言うと、「問題作」です。
