すべての園で、保育の質の確保を!――公立保育園の民間委託化問題
子ども子育て審議会で、公立認可保育園のさらなる民営化に向けた検討がスタートしました。
西東京市では、すでにこの10年間で7つの公立保育園を民間に委託化しています。
それによって財政が縮減され、産休明け保育、休日保育など新たなサービスが拡充された、
との分析・検証がなされています。
このことを額面通りに受け止めるならば、民間のほうが安くて良いサービスが提供できる、
だから公立保育園はすべて民営化すればいい、という話になってしまいます。
本当にそれでいいのでしょうか?
現在、公立保育園は10園。
西東京市では、その中の5園を「地域子育て支援センター(基幹型保育園)」と位置付け、
子育て支援コーディネーター(保育士、各2名)を配置し、ひろば事業や各種相談事業を展開するなど
地域の子育て支援拠点としての活動を行ってきました。
このことは、まさに時代における先見の明があったと思っています。
2015年度に子ども子育て支援新制度がスタートし、公立保育園の役割は大きく拡大しました。
預かり保育のみならず、地域で過ごす、とりわけ0~2歳の未就園児の子育て支援機関として、
保護者の不安をサポートし、地域とのつながりをつくるという役割が求められるようになったのです。
「地域子育て支援センター」としての基幹型保育園の役割は、とても重要です。
同時に、20万都市・西東京市の市域をわずか5園でカバーする体制が十分なのかどうか、
子育て支援のあり方に対する、全庁的な議論が必要だと思っています。
もうひとつ、私がとても気になっているのが、多様化する保育の質の問題です。
待機児対策で、現在、小規模保育所や認証保育所が西東京市にもどんどん増えていますが、
質の多様化と保育士の人手不足が課題となっています。
どの保育園に入ったとしても、すべての子どもが質の高い保育を受けられるように、
公立保育園の現場を中心に、市としてめざすべき保育水準をしっかりと議論する必要があります。
また、公立保育園と保育課が連携しながら小規模園をサポートし、
市に届きにくい民間の要望や課題を、市の保育政策の中に反映していくべきと考えます。
公立、民営、小規模、認証、家庭的保育、バラバラになりがちな保育現場をネットワークで結び、
その結節点として公立保育園が、どのような役割を果たすべきなのか。
今回の公立保育園民間委託化に際し、まさにそのことを議論すべきと6月議会でうったえました。
次の子ども子育て審議会は、8月に予定されています。
今後の議論に、ぜひご注目ください。
http://www.city.nishitokyo.lg.jp/siseizyoho/sesaku_keikaku/kodomo_kosodatenew/kodomo_shingikai/