「合理的配慮」が一歩前進!―― 普通学級に通う障がい児の介助が拡充へ

久しぶりに嬉しい議会報告です。
普通学級に通う障がい児をサポートする介助員制度が、2022年4月から改善されることになりました。
配置時間の上限が見直され、制度利用の前提とされてきた「保護者の介助実績」も廃止されます。
なかでも最も重要な点は、「保護者の負担軽減」を目的としてきた制度が、「子どもの権利保障」を目的とする制度へ生まれ変わることです。

普通学級に通うなら、親の介助が当たり前?

障がいがあっても、友だちと同じ学校に通いたい、地域の学校で学ばせたいと考える子ども・親は少なくありません。
今から16年前、西東京市は、障がい児の安全確保と学校生活の安定を図るため、介助員制度を導入しました。
しかし当時は、障がい児を普通学級へ進学させるなら、親が責任をもって付き添うのが当然という時代。
介助員制度は、そんな親の負担軽減のため、約200日ある年間授業日数の半分にあたる100日間を上限に、親をサポートする制度としてスタートしたのです。

子どもの権利を保障するための制度へ

その後、時代は大きく変わり、2016年には、障がい者への合理的配慮を定めた「障害者差別解消法」が施行しました。
このことを受け、西東京市の介助員制度も早急に見直すべきと指摘してきました。
障がい児の学習権を保障し社会的自立を支えるという視点で、制度のあり方を抜本的に変える必要があると考えたからです。
教育長からは、保護者の介助実績を申請条件から外すこと、支援が必要な子どもには100日間を超える配置も可能となるよう検討を進めていることが示されました。
また、配置時間を超える介助を、地域のボランティアが無償で担っている実態についても議会で指摘し、あわせて制度の改善が検討されることとなりました。

制度創設に尽力した方々、制度を利用してきた子どもたちとそのご家族、介助を担ってきた地域の方々。

多くの方が関わり育ててきた介助員制度が、これからも西東京市のインクルーシブ教育に貢献することを願っています。