ごみ処理経費の増にNO!―資源ごみ拠点回収を廃止? 12月の一般質問から②
この4年間、いいものはいい、ダメなものはダメと、是々非々の姿勢を貫いてきました。
市民の協力のもとに進められてきた、びん、缶、ペットボトルなどの資源ごみの拠点回収を、
西東京市は戸別収集(1軒ごとに玄関先で収集すること)に切り替えようとしています。
なぜ、市民の声も聴かずに資源ごみの戸別収集化を急ぐのか?
収集ポイントが6,500カ所→43,800カ所(7倍増)となれば、収集費用がどこまで増大するのか?
経費削減のため、収集回数が削減されるのではないか?
多くの市民から、疑問が寄せられています。
12月議会でのやり取りを、以下に掲載します。
かとう 戸別収集化を検討している資源物の対象品目は?
市長 びん、缶、ペットボトル、古紙・古布類、金属類、小型家電、廃食用油の7品目。
かとう ごみの排出抑制に向けた数ある課題の中で、なぜ優先的に「資源物の戸別回収」に取り組むのか。
市長 ①家庭ごみの分別減量と資源化促進、②高齢化の進展に伴う排出困難者対策等の市民サービスの向上、③置きかごによる事故防止等の対策として。
かとう すでに分別・資源化は徹底されているはずだ。戸別収集化によって、びん・缶など資源ごみの分別効果がさらに上がるとする根拠は?
市長 重量のある古紙を、高齢者が集積所に運べず家にためてしまうケースがある。戸別化で資源化が促進される。
排出困難者にとってはサービスの向上となる。
かとう ならば、古紙のみ戸別収集とし、「ふれあい収集※」の対象者を拡大すればよい。
排出困難者以外の市民にとっては不要な戸別収集で、市の経常経費が増加することを市長はどうとらえているのか。
(※ふれあい収集・・・ごみ出しが困難な高齢者、障がい者に対し、戸別訪問収集を実施する制度。申込制)
みどり環境部長 多額の経費がかかる可能性があり、財源の捻出が必要となる。
そのため収集ルートを最適化して得られた財源を充てるとともに、収集回数の見直しを予定している。
かとう 収集回数の減は、市民にとってはサービスの後退だ。戸別収集を急ぎ実施すべき理由が見えない。
かとう 高齢単身世帯が増える中、市に管理責任がある置きカゴを撤去し、一人ひとりの自己責任とすることで、事故の抑制につながる、とする根拠は?
みどり環境部長 強風でかごが飛散し、車両に接触する事故が平成24年度以降、3回起きた。市民の皆様の敷地内に置かせていただくことで、道路上のかごが飛散し、事故につながる可能性は減少する。
市長 近年、新たに転入された市民が、集積所の利用に同意を得られないケースが増えている。
近隣住民同士のトラブル解消のためにも、戸別収集の早期実施が必要である。
かとう 自治会・町内会の組織率2割という西東京市で、ごみの拠点回収は、わずかに残された小さな地縁組織であり解体すべきではない。市の進めるコミュニティ政策との整合性もとれない。
みどり環境部長 実質、戸別収集になりつつある事案が増え、全体の約12%にのぼる。住民間のトラブルを回避し、コミュニティを維持するためにも、戸別収集が必要である。
かとう 当たり障りのない関係にしていくことがコミュニティなのか? コミュニティ政策を原点に立ち返って考えていくべきだ。
議論は平行線のまま時間切れとなりましたが、以下の点から、資源ごみの戸別収集化には課題があると考えます。
1.ごみ処理経費の増が、市財政を圧迫する!
「待機児童対策や社会保障にかかる費用が増加し、公共施設やインフラの更新など行政需要が増大している」「市財政は極めて厳しい」「経常経費の削減が課題」という丸山市長。
それなのになぜ、一般財源を圧迫する戸別収集化に踏み切るのか? まったく理解できません。
2.収集回数の減で、市民サービスが後退する!
経費節約のために、市は収集回数を減らす案を示していますが、とりわけ集合住宅(マンション、団地など)に住む市民にとってはサービスの後退でしかありません。
夏場は団地の集積所に空き缶があふれ、混乱する可能性もあります。
3.わずかに残るコミュニティが解体する!
多くの自治会が解散した今、「ごみ出しが、ご近所と顔を合わせる唯一の機会」「互いの安否確認にもなっている」との声をいただいています。いったん解体すれば、小さな社会集団は二度と復活しません。コミュニティの希薄化が課題となる中、行政がトップダウンでコミュニティを解体すれば将来に禍根を残します。
資源物戸別収集(案)に対するパブリックコメントは、2019年1月6日までです。
ぜひ、市の計画へのご意見や疑問をお寄せください!
http://www.city.nishitokyo.lg.jp/siseizyoho/pub/bosyu/shigenbutu_kobetusyusyu.html