「介護者がホッと一息つける場所」 ケアラーズカフェが地域に広がっています

コミュニティ・レストラン木々で、ケアラーズカフェの取り組み報告を聴く皆さん

介護の渦中にいるときは、SOSさえ出せない
皆さんは、介護の経験がありますか?
元気だった親や配偶者が変わっていく姿に心を痛めながら、食事、通院、排せつを世話し、ときには言い合いをして自己嫌悪に陥ったり…。
仕事をしながら、あるいは子育てとのダブルケアなど、ケアラー(介護者)の負担はとても大きく、渦中にいる時には、周囲にSOSを出す余裕さえないと言われています。

介護者を支援する集いの場「ケアラーズカフェ」
孤立しがちなケアラーを地域で支えようと、
いま、「ケアラーズカフェ」が市内にじわじわと広がっています。
2013年にスタートした「コミュニティーレストラン木・々(もくもく)」(保谷町)が第一号となり、現在は新町、緑町、田無町の4ヵ所にオープンしました。
ケアラーの悩みを受け止めてくれるスタッフの多くは、介護経験者です。

共感が共感を呼んだからこそ、地域に活動が広がった
「うちのまちにもケアラーズカフェがほしい。
まずは行政がケアラー養成講座を開催して、担い手を増やすべきではないかしら?」という声を、
先日、他市の方から聞きました。
西東京市では、行政ではなく、市民が行政の補助金(NPO等企画提案事業)を使って講座を企画し、
担い手づくりに取り組んだのが特徴でした。
私は、それこそが成功の秘訣だったのではないかと思っています。
共感を広げることと、仲間をつくることは市民の得意分野。
行政が「ケアラーを養成します」と呼びかけるより、「介護者の苦労を少しでも軽くしてあげたい」と願う市民が、自ら行動を起こし、熱い思いをもって呼びかけたからこそ、
仲間づくりと拠点づくりにつながったのです。
この西東京モデルは、他自治体でも大いに参考になるはずです。

「市民が主役のまちづくり」を行政はどうサポートできるか
共感を広げることと仲間づくりは、市民の得意分野。
感度の高い市民が、「ここだ!」と思ったところに活動を立ち上げ、
それに共感した仲間たちが活動を広げる。
行政にはそんな市民の取り組みを、もっと応援してほしいと思います。
まちづくりの主人公は、わたしたち市民です。
市民が輝き、まちがもっともっと元気になるために、行政はどんなサポートをすれば良いのか。
市民活動に対する新たな支援のあり方や補助金運用の仕組みを、
市民の皆さんと一緒に考え、提案していきたいと思っています。