ついに白紙撤回!――3館合築複合化

2年間迷走してきた西東京市「市民会館、中央図書館・田無公民館」の3館合築複合化構想が、
6月議会初日、市長の発言によって、とうとう白紙撤回されました。

議員になったばかりの平成27年3月、突如として持ちあがった合築複合化基本プラン。
こんな計画を絶対にこのまま前に進めてはダメだ、との思いから、リセットに向けて必死に取り組んできたので、仕切り直しの表明に、まずはホッと肩の力が抜けました。

3館合築複合化構想は、公共施設の適正配置という点からそもそも課題がありました。
もともと市民は中央図書館・田無公民館の移転を望んではおらず、
「駅の近くにある利便性の良い図書館・公民館を、なぜわざわざアクセスの悪い場所へ移すのか」
との疑問に対し、行政は答えるすべを持ちませんでした。

”複合化することで、施設に新たな付加価値を創造する″というコンセプトは良かったものの、
設置場所と延床面積という前提条件の縛りがきつすぎて、創意工夫の余地が与えられなかったことも
プラン懇談会の委員を担った市民のストレスを強めました。

今回の施設構想の最大の課題は、市全体のまちづくりと何ら連動していなかったことでしょう。
まちに賑わいと交流をどう創り出せるかは、公共空間の設計と施設機能の持たせ方に大きく関わります。
西東京市民にも評価の高い複合施設・武蔵野プレイスは、まさにその成功例の一つです。
そうした、施設とともに描かれる公共空間のイメージを打ち出すこともできず、
議論をたんなる施設の総量抑制の話に矮小化してしまったことが、
市民に理解を得られなかった最大のポイントではなかったかと思います。

人口減少社会の中で、公共施設は統廃合・総量抑制の時代を迎えます。
だからこそ、一つひとつの施設にどんな多様な機能をもたせ、まちにどんな彩りを添えられるかが勝負です。
みんなでワイワイガヤガヤしながら夢を語り合うところから始めたい、と強く思います。
それこそが、ピンチをチャンスに変えることにつながると信じるからです。

3館合築構想はリセットされました。
ここからが、次のはじまりの一歩です。