小学校での体罰事件に思うこと――指導補助員を学級配置に!

今年2月、市内の公立小学校で、あってはならない教師の体罰事件が発生しました。
学級運営に課題のあるクラスで、授業中に言うことを聞かなかった児童に対し、担任教師の手が出てしまった、という体罰であったことが、議会での質疑を通じて明らかになりました。

教師の指導力、校内連携体制、研修制度、見直さなければならない課題はたくさんありますが
教師を責めて猛省を促せば、事態が改善するという単純なものではありません。
一人ひとりの子どもとじっくり向き合う余裕がないほど、教師は多忙を極めています。
また、学習面や友だちとの関わりという点で、支援の必要な子どもが増えています。
特別な支援の必要な児童・生徒が通常の学級に6.5%在籍しているという文科省の調査結果もある中、圧倒的に、現場に人手が足りていません。
ということは、またいつどこで体罰が起きても不思議はない、ということです。

近隣の東村山市では教員免許をもつ教員サポーターが、18の公立小中学校に1名ずつ年間を通じて派遣されています。
落ち着かない学級での見守りや声掛け、図工・家庭科などの作業補助、
教室を飛び出してしまう子への対応など補助の内容は様々で、
管理職の指示のもと、1時間目はあの学級2時間目はこの学級と、
支援の必要なクラスにフレキシブルに入り、教員をサポートしているそうです。
子どもとの信頼関係を育むために、継続雇用を基本としていると伺い、なるほどと感心しました。
入学から卒業まで成長を共に見守り、困ったときにサポートしてくれるパートナーの存在は、
子どもにとっても教師にとっても、心強いことでしょう。

西東京市にも、支援の必要な子どもに個別に配置する指導補助員制度がありますが、
教員や専門家の観察や判断のもと、配置の決定や保護者の合意が必要なしくみであること、
対象学年や配置期間に制限があることなど、制度の柔軟性という点でさまざまな課題があります。
この子を見るようにと言われてクラスに入ったが、支援の必要な子どもがクラスに複数いた、
という話を、指導補助員の経験者から伺ったこともありました。
今回の体罰事件で教師に叩かれたお子さんに、指導補助員はついていたのでしょうか。
ついていなかったとすれば、なぜ指導補助員が配置されていなかったのでしょうか。
そうしたことを考えると、人的支援のしくみは個別配置よりも学級・学校配置のほうがシンプルかつ効果的です。

公立学校には、いろんな子がいるのが当たり前。
だからこそ臨機応変に、必要なところに手当のできるしくみを、一日も早く実現したいと思っています。